Thought

'24.09

画面内と画面外の距離

つまみ書き

最近電車に乗っている時、ふとこんなことを考えました。なぜ画面の中と外の世の中はこんなに違うのだろう?

電車が走り、窓の外の景色は流れ去っていく。景色はあまり変わらないのに、車内の人々はうつむき、スマホをいじり、別の世界に没頭している。秋葉原や渋谷でさえ、ソフトウェア開発の世界ほど騒がしいことはない。

毎日新しい製品が発売され、ある「問題」を解決したと盛んに主張する。しかし、画面の外の世界を見上げると、街の風景や道行く人はそれほど変わっていないことに気づく。

私たちはあまりにも速く動いているようだ。

ハッスルカルチャーはソフトウェア産業の質を低下させている。ソフトウェアは、使い捨ての割り箸のように安価であってはならない。この世の中には、解決すべき問題がそれほどたくさんあるわけではなく、急いで解決する必要もない。

現実世界で考えてみよう。最初に鉄板小屋を建て、何度も建て直し、最終的に高層ビルにするだろうか?問題のある家を建てて、「まずは住人を探して、ゆっくり改装しよう」と言うだろうか?もちろんそんなことはない。現実には厳しい規制があり、そうすると高コストになり、法的問題に発展する可能性もある。

しかし、経営者にとって、ユーザーはただの数字に過ぎない。これがハッスルカルチャーとMVPがもたらす考え方だ。数字が優先され、しかも短期的な数字だ。その結果、完成していない半完成品が次々とリリースされ、センセーショナルな言葉でパッケージされる。コストが安すぎるため、使い捨ての割り箸のように、気にする価値もないほど安価なのだ。

これが近年インターネット上で流行している文化だ。騒がしく、誇張し、責任感がない。「良い製品を見つける」ことは、骨の折れる作業、あるいはAWSで適切なサービスと設定を見つけるのと同じくらい難しいスキルさえある。MVPは現代においては時代遅れの概念だ。多くの場合、私はそれらの「失敗」したMVPが全く魅力がないことに気づく。それらは革新的なアイデアも意見も持っておらず、完成さえしていない。このMVPから何も検証できていない。

そろそろ立ち止まるべきだ。本当に。